[参加メンバー]　にゃんちゅう　えみさん　 にん２　しんちゃん

[天候]　２日間　とも　晴れ時々曇り

５／４　第一章　ミズトロロ

快適な三崎海岸キャンプ場の朝は遅かった。バイク２台とにん２の車で、中野俣川に向かう。

にん２の雑記帳にもあるように、２３個の滝を列ねるという支流のヤビツ沢を目当てに入ったのだが、沢床についたのは、もうお昼近く。

この重装備を見よ！滝を２３個登ろう思っていたからね。

もともと、”沢、焚き火、山菜、岩魚”が　キーワードなのでそれらをすべて満足させるには何かと忙しい。にん２にとってヤビツ沢は因縁があるようだが、ヤビツ沢はあきらめて（つめたそ〜な渡渉を嫌って）中野俣本流をへつって行く。

沢泊が初めてだと言う姫様”しんちゃん”は、なかなか達者なへつりをみせる。時間があれば２３個の滝も楽しめであろう。えみさんこと”女王陛下”は、余裕のピースサイン。

中野俣川の渓相はこんな感じ。泊まり場は限りなく無いに等しい。

その後心地よい天場を求めて、しばし、沢をさまよったが、結局、造林小屋跡の台地に戻ってフライを張った。

詳細は、にん２の雑記帖に譲るとして、その晩のメニューを紹介しよう。

ビール
スモークチキンとドイツサラミのサラダ（陛下の料理）
地酒　東北泉　鳥海山
ミズナの根をかつお節と叩いたミズトロロ
エノキとチーズとミズナの炒めもの
ウルイのバターソテー
ミズナの御浸し
ミズナの味噌汁
ご飯
イワナ寿司（これは諸事情により、ソルド・アウト）
フキとミズナの芽の天ぷら（天ぷらは、せず、翌日のに味噌汁の具になった）

といったところだ。

まずは、ビールとスモークチキンとドイツサラミのサラダ。やはり、ビールにはこういったものがよく合う。セロリきいていて、実に旨い。

今宵の華板は、にん２だ。ガンガン焚いた焚き火のそばで、頬を赤く染めながら、いただくミズトロロと地酒東北泉はたまらなく旨い。

にん２の雑記帖には、”ミズナの根をかつお節と叩いた”とあるが、根元に近い赤紫色の茎を丹念にスプーンですりつぶしていたように思う。ものの本によると、秋になると茎が太くなり、やはり赤紫色の茎や根をたたきにするらしい。酢をたらすといいらしい。

我の華板にん２は、鰹節と醤油でたたいて仕上げた。程よいぬめりとかろうじて形をとどめた茎（根）の歯ごたえ。元来、ぬめりものの好きな僕（にゃんちゅう）には、なんともいえぬ味わいだ。

ミズナの御浸しもいい。やはり日本酒には、和風ものが合う。

ご飯が炊けると・・・

試し食いと言いつつ、ちょこと飯に手を出す。　（にん２）
エノキとチーズとミズナの炒めものをつまむ。　（にん２）
飯に手を伸ばす。　（にゃんちゅう）
炒めものをつまむ。　（にゃんちゅう）
飯に手を伸ばす。　（にん２）
炒めものをつまむ。　（にん２）
飯に手を伸ばす。　（にゃんちゅう）
炒めものをつまむ。　（にゃんちゅう）
それを横取りする。　（女王陛下）
味噌パンをかじる。　（しんちゃん）
飯に手を伸ばす。　（にん２）
味噌パンを持ったまま、座り寝にはいる。（しんちゃん）

こうして止め処もなく、夜はふけていった。

５／４　第二章　眠りの森の美女

姫は味噌パンが好きだ。

理由はよく知らない。

ひんやりとした東北の沢の夜。

煌煌と森の中のフライと４人を照らし、暖をもたらす焚き火。

姫は僕の左斜めやや後ろに位置し、僕からは見えない。

一方、にん２は僕のほぼ正面やや右に位置している。

にん２の顔が、なにやらニヤニヤとしてくる。

焚き火の炎に照らされた顔は赤く、ほのかに不気味。

視線は、僕の左斜めやや後ろ。

もはや、味噌パンは持っていないが、穏やかに座り寝が始まっている。

これが噂の”座り寝！？”

誰かが、座り寝をささやく。

姫が目覚める。

にん２がニヤニヤする。

誰かが、座り寝をささやく。

姫が目覚める。

にん２がニヤニヤする。

誰かが・・・・

こうして止め処もなく、夜はふけていった。

５／５　第三章　子供の日

さわやかな５月の朝風が、フライとシュラフの間を流れていく。

「あ！にゃんちゅうさんだ」にん２の高いとぼけた声。

「あ！にん２さんだ」それしか答えようがない。

これからこれが朝の挨拶になるのだろうか。

フキとミズナの芽の味噌汁。納豆と海苔。

日本の朝。東北の森の朝である。

焚き火の燃えさしから、静かな、そして細く小さな、紫煙が夕べの晩餐を五月晴れの空へ登らせていく。

５／５　第四章　にん２は速い

林道の車止めに戻ると、にん２は陛下のセローにまたがる。レースをやっていた時代からもう７〜８年バイクからブランクがあるというにん２。

レーサーの走りを人目見ようとレイドを後ろに着けるが、スタート直後から一気に離される。

にん２にとっては、余裕の走り（人のバイクだし）だろうが、全く追従できない。シッティングポジションで片足バランスをとりながら林道をまるでサーフィンをするかのごとく流れ去っていった。

ナウシカのメーヴェのようにバイクが森に舞う友達になるといいな。

にゃんちゅう画